猫がとぼとぼ出ていってしまう夢で目が覚めた。家を出ているのは、僕のほうなのに。寝汗が気持ち悪い。
「なくてはならないもの」を持たないように心がけてきた。 「なくてはならないもの」とは、つまり失うと痛みが伴うものだ。そんなもの最初から持たなければ痛みを味わうこともない。痛いのは、好きじゃない。 思えば、こういう類の予防線をかなり用心深く張りながら生きてきた。子供のころからずっと。 「あってもいいけどなくてもいいや」とか「いてもいいけど、俺、特にいなくてもいいよな」という場所で生きてきた、つもりだった。 単身赴任をはじめて1年になる。 こんなにも猫の匂いに飢え、こんなにも一人暮らしをつまらないと感じるとは。不覚だ。これが「なくてはならないもの」を手に入れてしまった、ということなのかもしれない。 自覚なく手に入り、失っても痛みすら伴わない。 ただ生きることがつまらなくなる。 「なくてはならないもの」は、恐ろしい。 それを失うのを恐れていることが、もっと恐ろしい。
by satoshi_ise
| 2008-10-19 22:59
| 日記
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