胸に猫 足もとに猫 右に妻 枕元に猫 左には壁 (仁尾智)
連作「ネコノイル」に入っている一首。 この短歌には「左には壁」とあるけれど、正確に言うと仰向けに寝たときの左側の壁沿いには、本棚が置いてある。本棚の高さは、僕の腰くらい。本棚の上には猫用のベッドがいくつか置いてあり、猫の寝床にもなっている。 ある晩のこと。僕はもうどっぷりと眠りに落ちていた。寝ていたのでよくわからないのだけれど、まあ、寝ていたのだからそれはだらしない顔で、弛緩しきった様子で、よだれなんかも垂らしていたのかもしれない。そういうことにしておこう。 その弛緩しきった僕のお腹に、本棚の上で寝ていた猫、わらび(オス・6kg超級)が飛び降りてきた。 「フグッ」 想像してみてほしい。油断しかしていない腹に、6kgのメディシンボール(ボクサーとかがよく使う重たいボールのこと)を落とされる状況の非日常性を。 苦しい、というか、下手するとこれは死ねてしまうのではないか。 とらえどころさえ的確であれば、わらびは僕を殺せる気がする。仮にそんなことが起きても、わらびは悪くない。悪いのはベッドの横におあつらえ向きに本棚を置いている僕だ。 ただ、そんな死に方なら、みんなに笑ってもらえる気がして悪くない、とも思う。こんなばかばかしくて、誰も憎めない死に方だったら本望だ。単身赴任では絶対に叶わない。 我が家に帰ってきてよかった、と、しみじみ思う。 ……って思わねーよ! 殺す気か!
by satoshi_ise
| 2009-03-22 01:29
| 日記
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